
こんにちは!まさゆきです。
慢性上咽頭炎の治療に挑むことにしました。
秋のある日、突然、咳が止まらなくなりました。なんの前ぶれもなく、激しい咳が続いたのです。
「これは、秋の花粉症?」
春の花粉症で余っていたアレグラを飲みました。
しかし、いっこうに咳はおさまらず、3日ほど続くと、咳による頭痛がしてきて、耐えられなくなってきたので、バッファリンを飲んでしのぎました。
1週間続いたある朝、数年前に買った本を見つけたのです。
会社を辞める1年ほど前、ぼくは激しい咳と、咳の振動による頭痛に悩まされていました。当時は、毎日のように深夜まで続く激務のせいだとばかり考えていたのです。
うがいをすると、少し血のようなものが混じっていたので、きっと咳のしすぎで喉の奥に傷ができたんじゃないかと疑い、内科の先生に相談したところ、耳鼻科に行くように勧められました。
僕は言われたとおり、耳鼻科を受診しました。
内視鏡を入れて写真を撮ったけど、鼻にも喉にも傷なんかなくて結果は問題なし。ただ少し、声帯が痩せてきてるから、発生練習をするといいとアドバイスをもらっただけでした。
「カラオケが好きだけど、忙しくなって唄わなくなった」と先生に話したら、「仕事は程々にして、歌でも歌った方がいい」と笑いながら診断は終わりました。
そんなあるとき、健康番組を見るのが好きな僕は、テレビで「あいうべ体操」を紹介した番組を見たのです。それで慢性上咽頭炎のことを知って、「つらい不調が続いたら慢性上咽頭炎を治しなさい」という本を読んだのです。
慢性上咽頭炎の治療は、EAT(上咽頭擦過療法)
この治療法は、上咽頭擦過療法と言われ、英語訳のEpipharyngeal Abrasive Therapyの頭文字をとってEAT(イート)と呼ばれています。
もともとは「Bスポット療法」と言われ、Bスポットというのは「鼻腔」の頭文字。
この治療は、鼻の奥の上咽頭という、鼻の穴が合流するところからのどちんこの奥のところを塩化亜鉛溶液をしみこませた綿棒でこすります。
左右の鼻の穴から綿棒を入れてこすり、最後に口から入れてこする。時間にすると30秒程度だが、これがとにかく痛いのだそうだ。
当時の僕は、咳と頭痛の原因が、慢性の上咽頭炎のせいかもわからないし、治療そのものがものすごく痛いと本に書かれていたので、踏み込む勇気がなかったのです。
その後、会社を辞めて、毎日のように河原をジョギングし、ヨガを習って、体調はよくなりました。
それでも相変わらず春先の花粉症には苦しんでいたけど、早めに医者に行ってアレグラを飲むと、少しは軽く過ごすことができたのです。
しかし、今年の春は違っていました。
いつもより早いタイミング、そう1月の初めに、急に左の鼻から水鼻が垂れ始めると翌日からは激しい咳が出るようになったのです。
ネットで「ごぼうのスムージー」が効くと知って試したり、アレグラを飲んだりしました。そして、「長沢オリゴ」という腸内環境を整える白い粉に出会い、通販で取り寄せて、毎日飲み花粉の時期を乗り切りました。
そして、秋になった途端、またも激しい咳。
アレグラを飲んでもおさまらない咳。
これは自分のカラダの中で何かが起きている、そう思ったのです。
なぜ、痛いけど、治療することにしたのか!
誰にでも老いはやってきます。それでも、穏やかに老いていきたいと誰もが願うのではないでしょうか。僕もそのひとりです。
松山ケンイチと長澤まさみが共演した映画『ロストケア』を観ました。
松山ケンイチ演じる介護士は42人もの殺人を犯し、検事である長澤まさみが犯行の動機を追求し対峙する映画です。
介護士がなぜ人を殺すようになったのか。
それには、彼自身が経験した父親への介護が大きく影響していました。父親役を演じたのは柄本明。認知症を患う老人を迫真の演技でした。
仕事を辞め介護する息子とどんどん認知症がひどくなっていく父。
その悲惨な父と息子を見たとき、年老いてから家族に迷惑をかけたくないという強い思いが湧き上がりました。
慢性上咽頭炎の本を読み返してみると、慢性上咽頭炎はさまざまな病気の根本原因となるということです。
頭痛、咳、めまい、倦怠感、胃腸障害、血尿、湿疹、関節炎、しかもほおっておくと、認知症のリスクも高まるというじゃありませんか。
それで、僕は思い切って治療を受けることにしたのです。
予約がとれたのが10月21日、14時15分。
診察に持ってきて欲しいと言われたのは下記の5点。
・今までの経緯
・お薬手帳
・コロナ接種証明書
・保険証またはマイナンバーカード
・最近の血液検査などの結果があれば検査結果
予約時間から、尿検査、血液検査、看護師による問診と進め、診療(擦過による確認)に至るまで、夕方までかかるかも知れないことを了承してほしいと言われました。
いよいよ当日。
受付を済ませると、若い男性の看護師が、血圧、身長、体重、採血、採尿、問診をしてくれた。
あらかじめ用意していった今までの経緯には、会社を辞める一年前のことから、現在に至るまで、自分が慢性上咽頭炎ではないかと思い当たる点を、こまかく書いていきました。
若い看護師は、ひとつひとつ確認するようにこまかく聞いてくれたのです。
話しやすい看護師さんだったので、治療の時間を聞くと、「30秒ぐらい。ただ初めてはすごく痛い。何度かやって症状が良くなってくると、痛みも軽くなる」ということ。
30秒ぐらいなら、なんとか耐えることができる。覚悟を決めました。
待つこと2時間。ようやく名前を呼ばれ中待合室で待機。程なくして、診療室から診察を終えたおばさんが出てくると同時に、名前を呼ばれた。
診療室に入ると、少しこわそうな先生が座っていた。
先生に挨拶をし椅子に座ると、先生のパソコンの画面には、僕の今までの経緯が映し出されていました。
それを見ながら先生はいくつか確認するように話しかけてくれた。
いくつか確認が終わると「じゃあ、治療するよ」と言われ、ベットに横になるよう促され、小さな前掛けのようなものをかけられる。
靴を脱いで、横になった途端、先生は素早く、長めの綿棒を僕の左の鼻に突き刺した。
考える間もなく、鼻の奥を擦り始めると、あまりの激しい痛みに、思わずうなり声をあげるぼく。
間髪入れず、引っこ抜いたかと思ったら、今度は右の鼻に突き刺した。
仰向けの姿勢をキープするのがやっと。飛び上がるほどの痛みに悶絶!
先生は右の鼻から綿棒を引っこ抜くと、こんどは少し太めの綿棒に持ち替え、口に突っ込み、喉の上の辺り、ちょうど鼻の裏側あたりを擦った。
「もうダメだ、吐きそう」と思ったところで治療が終わった。
するとすかさず、「鼻水が出るから出してください」と年配の女性の看護師が、ぼくの背中に手を当て上半身を起こしたかと思うと、大量のティッシュとゴミ箱をあてがってくれた。
素早い動きだ!
血が混じった鼻水をかんで、痛みの余韻に朦朧となった。
先生は、「重症だな。心が折れなかったらまたきなさい」と笑いながら言った。
放心状態の僕は「ありがとうございます」と言いながら鼻をおさえ治療を終えた。
このEAT治療は短い人で、7、8回程度。長い人は半年ぐらいかかるらしい。
1回目の今日は、薬局に薬をもらいに行く間も、血がまじった鼻水が出ていた。ただ、妙に鼻の奥がすっきりして、なんとなくよくなるんじゃないかな、と予感がした。
次の予約をとった。次は1週間後、ここまできたら、必ず良くなってやる。そう誓うのでした。