唯一の発見の旅とは……未知の土地を訪ねることではなく「新しい」視点をもつこと
フランスの小説家 プルースト
ひきこまれる物語には、主人公が何を考え、どう行動するのかを読者に気づかせ、想像させる、巧みな文章力と構成がある。
この間、一気読みした辻村深月の「ツナグ」はまさにお手本というべき秀作だった。
死んだ人間と生きた人間を会わせる窓口。僕が使者(ツナグ)です。
主人公は、渋谷歩美。普通の高校生の彼が祖母からの指名で使者(ツナグ)となる。使者(ツナグ)とは「死んだ人間と生きている人間を会わせる窓口」だ。
この小説は構成が秀逸だ。まず、死んだ人間と生きている人間が再会を果たす様子がいくつかの短編で組み立てられている。そして、最終章ではその短編の物語が使者(ツナグ)の目線で書かれている。
短編に登場する人たちに物語があり、物語をつないでいく主人公・歩美。はじめは淡々と自分の役割を果たす歩美だが、いつしか物語は歩美の成長そのものを描いていく。
主人公の内面的な葛藤、問題、闘い、ゴールとは何なのだろうか?
ツナグにおいてもそれは問いかけられていく。
外面的に起こる出来事、選択する行動により、外面的な緊張感と内面的な葛藤が生まれる。それこそが物語全体の原動力となって進行していく。
外面的な問題が物語にドラマを生むのは、主人公が自分の問題を克服するためには、それに直面しなければならないというときだけだ。
「脳が読みたくなるストーリーの書き方」 リサ・クロン著
主人公の内面的な葛藤、恐れの源は何か?
主人公が生きて正さなくてはならないことは何?
主人公が守れなくなる大事な約束は何?
主人公が解き明かしたい謎は何?
こうした問いが、物語が進むなかで解き明かされていくことで大きな意味を持つ。
読者は自分の知らない何かを知りたくて物語を手にし読み進める。
作家の役目は、主人公のことを知っているような気持ちにさせ、これから何が起きるのかを知りたいという関心に向かわせることなのだ。
今日のところは、ここまで学習しました。
学んでいる途中で、PCのタイピングで覚えたこと
文章を選択して太字にするショートカット
文を書いたら、「⌘+→(←)」すると、先頭か末尾にカーソルが移動します。
そうしたら、「shift+⌘+←(→)」とすると、その行が選択されます。
選択されたら「⌘+B」で太字になります。